寒い国の老人の額に深く刻まれた皺に捧げる

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2005年5月から9月にかけて録音・制作された。 (mp3, 3'13, 3.7MB)

 1990年代初頭、友人の学生芝居の音楽として何曲かを書き下ろした。この曲は、それら一連の作業をサウンド・トラックとしてまとめようと思い立ったときに、46分のカセット一本にまとめるには曲が足らず、付け足し的なトラックとして、芝居とは関係なく、一晩で制作し収録したことを覚えている。ちなみにそのカセットは劇団員に配付されたほか、芝居上演期間中に即売され、せいぜい5本くらい売れたっけ。

 今でもこの芝居の為に制作した曲は気に入っていて、MacのGaragebandというソフトを使って、自分の表現を形にしようと思い立ったとき、まずこの曲に向かってみたのはそんな思い出もあってのことかもしれぬ。

 基本的にテーマを繰り返しているだけのフォークロリックな曲だが、民俗音楽の多くはテーマの繰り返しに終始しており、移動式音楽班としても、別段、ポップスなど志向しているわけでもないので、まぁ、これでいいではないかと、常に居直った状態にあります。

 こんな歴史を通じて、頭の片隅にあったイメージは、真冬、すべてが枯れた故郷の景色の中を車で走ったとき、自分もいつかこの景色に同化してしまうのかなと感じた、やるせない感じである。季節は繰り返すが、人生は一度きりだ。
 若い日、老人となった自分が並んで走っているように感じることがときどきあった。旅の途中で、孤独の只中で。同じように年老いた日、今度は、若かった自分が、やはり並んで走っているのだろうか。同じものを見て、同じように目に映るだろうか。俺も変わっていくのだろうか。答えは出ない。仕様がないことなんだよ。そんな気持ちなのです。

<言葉>

Gott, hilf uns aus dieser Not !
Sie werden uns verzeihen !

神よ、わたしたちをこの苦境から救ってください
わたしたちを許してください

<使用道具>

マラカスグンガールドーラック
リコーダーマンドリンクラシック・ギター