扉
詞 移動式音楽班扉の前に立っている 俺は扉を開けるだろう
扉の前に立っている 俺は向うを見たいだろう
春の野原かも
夏の岸辺かも
心を残してきた あの 甘い触れ合いかもしれないぜ
らんらら ららんらら
すべて洗い流せるのなら
ああ、なんていいのだろう
忘れられぬ生の喜び
さあ、迷うことなく 扉の取っ手に手を掛ければいい
扉の前に立っている 俺は扉を開けるだろう
だってここは始まりでも、或いは終わりでもない
だってここは始まりでも、或いは終わりでもない
らんらら ららんらら
すべて洗い流せるのなら
それはなんて素敵なのだろう
地獄を塞ぐ蓋だとしても
さあ、迷うことなく 扉の取っ手に手を掛ければいい
隔てられた二つの世界
それとも向うも同じ世界?
俺は扉に手を掛ける
さあ さあ さあ
波
詞 移動式音楽班何事もない かすかな波紋
波のように押し寄せる
渦のように引き摺り込む
何事もない 小さな波紋が
大波のように押し寄せる
取るに足らない かすかな波紋が
臓物のメロディ 臓物のリズム
詞 移動式音楽班遂に今日は 裏が表だ
今日だけは 裏が表だ
昨日までの王は馬鹿だ
昨日までの馬鹿が王だ
王は馬鹿だ
馬鹿の王だ
王が馬鹿だ
馬鹿が王だ
内臓を振り回せ
内臓を吹きならせ
臓物を振り回せ
臓物を吹きならせ
内臓のメロディ 内臓のリズム
臓物のメロディ 臓物のリズム
はらわたのメロディ はらわたのリズム
内臓のメロディ 内臓のリズム
下衆が上等だ 下衆が
歴史的な下衆だ 下衆だ
下衆が上等だ 下衆が 下衆だ
下衆が上等だ 下衆が
記録的な下衆だ 下衆だ
下衆が上等だ 下衆が 下衆だ
揺らめく炎、明滅、酩酊
揺らめく炎、明滅、酩酊
俺が下で 君が上だ
俺が下で 君が上だ
俺が下で
内臓を振り回せ 遂に今日は
内臓を吹きならせ 裏が表だ
臓物を振り回せ 今日だけは
臓物を吹きならせ 裏が表だ
舞台の上 裸の一座
詞 移動式音楽班幕が上がる
不意を突き
舞台の上
裸の一座
幕が上がる
不意を突き
舞台の上
孤独の一座
夏の訪れ 路傍に散るもののシャンソン
詞 移動式音楽班夜の町 稲光 眠れない 土砂降り
低気圧が通過する 稲光に浮かぶ町
醜い嘘が美しい歌になるなら
目を背ける裏切りが歌になるなら
夜は知っている 風は知っている 夏は知っている
国境を越える風のように 海峡を渡る風のように
自由に飛ぶことができれば あなたに届くのだろうか
国境を越える鳥のように 海峡を渡る鳥のように
自由の羽を背にはばたかせ 夢を見る あなたに会おう
夏の日よこんにちは
赤い花が蒸し暑い朝そっと開く
野性が影もなく放射する
その鼓動にこの身を任す
夜の町 稲光 眠れない 土砂降り
低気圧が通過する 町に夏が訪れる
醜い嘘が美しい歌になるなら
目を背ける裏切りが歌になるなら
夜は知っている 風は知っている 夏は知っている
夏の日よ永遠に!
赤い花が濡れた舗道にぽとりと落ちる
野性は音もなく発火する
その炎にこの身を任す
国境を越える風のように 海峡を渡る風のように
国境を越える鳥のように 海峡を渡る鳥のように
夜は恒星のように眩しく
生きる証しを露わに曝す
夏の風よ
あなたへ届け
この路傍に散るものを飛ばせ
世界に背く 一瞬 愛の記念に
詞 移動式音楽班愛の記念に かりそめのばら色で
世界に色をつけようよ
言葉を、メロディを、
口づけも、抱擁も、
手当り次第に染めようよ
そしてかりそめのばら色で
色あせぬばら色を
ほんのひととき描けたなら
一瞬でもそれは胸に咲き
風を越え、雪を越え、
俺とあなたを結ぶだろう
太陽の下で写真を撮ろうよ
人は変わっちまう
俺も変わるのだろうか
人はどこまでも残酷になれるんだな
憎み合うのは御免なんだな
あなたと一緒ならとても楽しいな
旅に出ようよ
ここにはもういられないな
友達よ家族よさようなら
涙ながら
故郷よ国よお別れだ
愛の記念だ
雨の競技場 ある呪術
詞 移動式音楽班雨の競技場で縮こまる
白い息の靄に包まれる
雨垂れが眼に波紋を描き
君の顔は震えて揺れた
雨の競技場で縮こまる
不意に歓喜の時が訪れる
万歳する君は まるで隙だらけで
後ろから抱きすくめる
俺のまじないが乗り移れば良いな
君に感染すると良いな
嗚呼
夜は回る
立ち尽くす俺は、まるで踊っているかのようだ
詞 移動式音楽班ドアは外の熱を堰き止める 闇を繋ぎ止める
季節の風が熱波を運ぶ 午後10時セ氏30度
ドアの内は空調の冷気 眩しい光のあぶく
目を閉じて君の名を唱えてみて 一歩踊り出せ
uno dos tres
ラム酒 マンボ テキーラ マリアッチ
夜よ回れ 果てしのない高速回転で
俺のダンスは下手っくそだから
夜よ回れ 360度パン
この胸が痛む 苦しみがある この胸は虚ろ 灰
グラスの底の澱みに溺れるおどけ者のようだぜ
眠れぬ亡者のクロールのような不様なダンスだぜ
それにしても撃たれたのか 刺されたのかえぐられたのか
この胸のこの疼きは何なのだ 知ってるよ
Eres tú, querida. no estás aquí.
(それは君だよ、ベイビー 君はここにいない)
ラム酒 マンボ テキーラ マリアッチ
夜は恒星 レントゲンのように 赤裸に
俺を照らし 胸に開いた穴 闇
取り留めのない記憶に放り込んでくれ
Mi amor 忘れじのステップ
夜よ回れ ズズチャツ ズズチャツ ウォウォー
俺の身体を雑巾のように絞ったら
ナンセンスなカクテルが致死量取れるぜ ハ
ラム酒 マンボ テキーラ マリアッチ
夜よ回れ 更にもっと高速回転で
手に負えぬ記憶 人生は続く
残念なことに俺は君と踊れない
もう
悲しみ 砂と楽師
詞 移動式音楽班砂は風に舞って通りに積もる
街の思い出を消していく
砂は風に乗って隙間を埋める
秘め事は葬り去られる
雪は優しい温かさを持っている
雨は口で表せぬ喜びを
砂は俺に何を語っているのだろうか
耳を澄ましてこだまを待つ
青い空の下、木陰に座り
通りを歩く君を待った
俺の指先は、目が合ったとき
流れるメロディを奏でた
砂は君を家に閉じ込めてしまい
砂は音を忘れさせてしまうだろう
砂は俺に何を語らせようというのか
耳を澄ましてこだまを待つ
街の人々は高い壁で
街の周りを囲い出す
街が再び色付き、呼吸を始め
青い空は戻るのだろうか
悲しみの涙が溢れ出したら
せめて何か 種は芽を吹くだろうか
砂は俺に何か語ってくれるだろうか
耳を澄ましてこだまを待つ
耳を澄ましてこだまを待つ
ある美しい日のシャンソン
詞 移動式音楽班闇に目を凝らし 君に色を付けてみた
君の声は水晶色 君の瞳は夜明けの色
街をすっぽり覆ったカーテン
俺は不眠症 じっと晴れの日を待って
時計が一秒 また一秒
知れば知るほど色褪せていくんだ
美しい日が
俺も君も不眠症ならば 夜、デートできるね
灯りの消えた遊園地や 通りの静寂が見られるね
街をすっぽり覆ったカーテン
夜は荒ぶる生き物 熱病のような
君よ振り返り俺の手を取れ そこは河だ
泳いでいけるさ
美しい日を
街が起きた時には、きっと覚めてしまう
君につけた色も褪せてしまう
街は真っ暗だ
美しい日よ
君の声は水晶色 君の瞳は夜明けの色
通りの向こう、果てを見る
詞 移動式音楽班昼に影差し 夜に漂う
それは果てしない復讐にも似た甘さで
バスに乗ってやってきてね
澄んだ声で歌ってね
俺も君も異邦人 知り合えようものか
俺の彼方 割り切れぬほど遠く自由な君がいる
通りの反対側に 俺は果てを見る
闇に沈んで行く嘘に口づける
延々と続くだろう 虚しい愛撫の如き日々が
並木道で君を捕まえた
柔らかい風が吹いた
君のことがとても知りたかった
俺のことがもっと知りたかった
見たことのないものを見せられたなら
触れたことのないもので触れあえたなら
少し変わり 少しも変われない俺を
置き去りにして手を振る君がいる
通りの反対側に 俺は果てを見る
あなたに近づけたら ああなんていいだろう